運行供用者責任とは、自動車損害賠償保障法に定められたもので、人身事故が
発生した際「運行供用者」が賠償責任を負うというものです。

運行供用者とは「自己のために自動車を運行の用に供する者」であり、
事故を起こした車両の運行についての支配権を持ち、それによって利益を得る者です。
典型的な例は車の「保有者」です。(会社名義の車ではなくても、会社がその自動車を
使用する権利を有している場合には「保有者」となります。リースカーなど)

例えば、社員が社有車で事故を起こした場合、車の所有者である会社が運行供用者責任
を問われることがありますし、社員のマイカー通勤を黙認していたりした場合に社員が
交通事故を起こした時も、交通事故を十分予見できたとして運行供用者責任が認められ
やすいといえます。

会社が運行供用者責任を免れるためには、過失がなかったこと、具体的には次のことを
全て自ら立証しなければなりません。
1,自己および運転者が車の運行に関し注意を怠らなかった。
2,被害者または運転者以外の第三者に故意または過失があった。
3,車の構造上の欠陥または機能上の障害がない。

善意や無過失などの立証責任を運行供用者自身が負うのは大変です。